たったひとつの冴えない惑星

懐かしのSF小説をネタにしたブログ

様々な魔法少女をスィートに描いた作家 ロバート・F・ヤング

バート・ヤングはSF作家と言うより欧米短編作家の枠でとらえたほうが良さそうですね。

 

でも、SFの小道具は必ず出るんですよ。

 

そこにしびれるあこがれる。

 

 

デビューは1952年頃と言うベテランです。

ハインラインやクラークなどのハードSF作家の次の世代で、ヴォネガットウィンダム、ディックなどと同期でSFの文学としての多様性を追求しました。

 

どんな多様性かって?

 

ロリータコンプレックスです。

オタク趣味です。

スィートラブロマンスです。

 

日本人ならビックリの魔法少女雨あられです。

 

と言うか、魔法使いサリー以来の魔法少女アニメの原点がロバート・F・ヤングの小説であることに気づかされます。

 

甘い甘いスィートなラブロマンス専門の小説家。

ですが、SF風味がピリッと聞いて飽きません。

ヤングはプロ小説家でしたので長編小説も多いのですが、翻訳されたのは最近です。

 

日本ではスィート短編作家として名が通っています。

 

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それでは適当に選んだ好きな作品のさわりをちょっと。

 

目次

 

1、ジョナサンと宇宙クジラ

 

この魔法少女は惑星そのものです。

あらゆる小説の中でも最も優雅で心優しい少女が描かれています。

シュトラウスのワルツと言ったら「美しく青きドナウ」でしょう。

ちょっと難解ですが、人間と言う病原体に体を蝕まれた少女が、人間である主人公のジョナサンによって鎖から解放されます。

ワルツのリズムに乗って階段から駆け下り、社交界にデビューするドレスを着た少女。

少女は回転しながら銀河を飛び出し、ロマンスの待つ大宇宙へと駆け抜けるのです。

 

優しい気持ちの涙があふれる名編です。

 

2、ジャングルドクター

 

地球と言う僻地に間違って送られた女医が、地球人の恐ろしい精神病に愕然とします。

女医は地球では病気とも認められていない精神病の重大さに恐れをなして逃げ出します。

暗いムードの物語ですが、女医のルックスは地球では10歳の少女。

ミンキー・モモなのです。

最後の一行にしびれます。かっこいいです。可愛いです・

 

3、たんぽぽ娘

 

おとといはウサギを見たわ。昨日は鹿、今日はあなた。

サマードレスの少女が可愛く舞う、超絶ロリコン小説。

時を超える純愛ハッピーエンドは素直に楽しめれば勝ち。

最高傑作と言う呼び声が高いですが、読む人を選ぶかも。

 

4、真鍮の都

 

ヒロインはメイドさん

シェエラザードの物語にタイムトラベルがミックスしたオタク風味のファンタジーSF。

すごくオタクっぽいです。ロマンスが漂います。

 

5、妖精の棲む樹

 

ヤングにしてはヘヴィな恋愛観の漂う怪作。

少女を斧で滅多切りにする愛・・・なのか?

 

6、時を止めた少女

 

二人の少女は宇宙人。

地球人の男性との甘いロマンス。

ちょっとしたミステリーにハッピーな結末。

 

7、神風

 

70年代ロボットアニメの悲劇のゲストヒロイン風のお話。

富野由悠季さんが好きそうな。

または「最終兵器彼女」とか。

 

8、リトルドックゴーン

 

アメリカでは非常に評価が高かった作品。

日本人の感覚とはちょっと違うかもしれませんが、感受性の鋭い人なら泣けるでしょう。

この魔法少女は・・・タイトル通り犬です。

 

9、ロバート・F・ヤングは読む人を選ぶかもしれません

 

優しい素直な気持ちでメロドラマを楽しめる人限定作家ではありますが、SFの小道具とセンスオブワンダーで読者層を広げることに成功しました。

 

翻訳家たちにはあまり高評価では無かったようで、出版された本は3冊、しかも宇宙クジラ以外はすぐに絶版と言う状況でした。

 

ところが、読者層に根強いファンが現れ、今世紀になって復刊、そして新訳が次々と出版されました。

SFメロドラマと言えば日本人のオタク層の大好物ではありませんか。

 

ガンダムのララアとか、エヴァ綾波とか、そんなキャラの原型ともいえる作品群に人気が出ないはずがないのです。

 


ジョナサンと宇宙クジラ (ハヤカワ文庫) [ ロバート・F.ヤング ]

 

それと、古い時代(50年代~60年代初期)なので、文章が読みやすく難解な設定は少ないところも良いですね。

 


時をとめた少女 (ハヤカワ文庫SF) [ ロバート・F・ヤング ]

 

ほとんどの作品のヒロインは広義の魔法少女であると言うことも日本人の琴線に触れるでしょう。

甘いロマンスからのハッピーハッピーエンドがお望みの方なら男女問わず感動できる貴重な小説家でした。

 


たんぽぽ娘 (河出文庫) [ ロバート・F・ヤング ]