たったひとつの冴えない惑星

懐かしのSF小説をネタにしたブログ

映画のネタ元はフィリップ・K・ディックの「虚空の眼」だっちゃ

1982年、SF作家フィリップ・K・ディックは自宅でこん睡状態で発見された。

 

搬送された病院で脳死と判断され、家族の判断で生命維持装置は外された。

 

コロラド州にあるディックの墓に葬られました。

 

その墓とは、生後40日で死んだディックの双子の妹の墓です。

 

目次

 

 

1、フィリップ・K・ディックは20世紀アメリカ最高峰の芸術的小説家です。

 

ディックは44編の長編小説と121篇の短編小説を発表しています。

発表当時から人気作家でしたが、ギャラの安いペーパーバックライターだったため、死ぬまで貧乏だったそうです。

ディックは純文学作家を志向していましたが、売れたものは一作のみで、それ以外はすべて送り返されたそうです。

 

ディックの作品の映画化は【ブレードランナー】(アンドロイドは電気羊の夢を見るか?)を皮切りに12作制作されてドラマシリーズも最低3シリーズ放映されました。

ディックはブレードランナー公開直前に亡くなっています。

 

2、キングオブ・ペイパーバックライター

 

ロバート・シルバーバーグも凄いですが、ディックの場合は本名で発表され、ペイパーバック作品であるにもかかわらず、現代まで世界各国で再販され、そのすべての芸術的価値が討論されています。

そんな、ハードカバー小説家は存在しないとまで言われました。

 

3、映画化のタイトルが変更されている理由

 

小説発表時点で、ディックは自分の作品のタイトルが決められず、ほとんど編集者が考えたものだったそうです。

ブレードランナー」より「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」のほうがインパクトがありそうですが、どちらもディックがつけたタイトルではありません。

 

4、ディックの小説のリスペクトではないかと言われる映画

 

wikiには19作挙げられています。

エルム街の悪夢マトリックス12モンキーズなど。

日本にも大量にありそうです。

 

ありました!

これは設定、構成からクライマックスまでもろリスペクトです。

 

20世紀日本アニメ映画の傑作と名高い「うる星やつらビューティフルドリーマー

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5、革命的 萌え少年漫画作家「高橋留美子

 

プロの漫画家を目指して新潟から上京した少女「高橋留美子」は大学生の時に短編コミック「勝手なやつら」で小学館の賞を受賞し、この作品をもとにした連載「うる星やつら」の執筆を始める。

 

あれれ、ちょっと待ってください。

少年漫画の革命ともいえるSFコミック(吾妻ひでお談)の「勝手なやつら」ですが、ディックの短編、「追憶売ります」のリスペクトですよね。

本編ともいえる「うる星やつら」はリスペクトだらけ(初期はウルトラセブンのリスペクト)なので、もうどうでもよくはなっていますが。

 

うる星やつらは名作です。

その発想元がディックの短編であっても何の問題もありません。

だからこその名作とも言えるでしょう。

 

6、押井守

 

東京都出身、日本SF作家クラブ会員、アニメ監督

攻殻機動隊などの世界的評価で、日本の大監督とまで言われる押犬先生ですが、アニメ監督デビュー作は1981年の「テレビ版うる星やつら」です。

芸術家気質が強く、エンターメント作品の「うる星やつら」の制作で苦悩することが多かったようです。

映画版第一作「オンリーユー」は本人曰く「ただの大きいテレビ、失敗作だった」とか。

個人的には好きなんですが。

第二作「ビューティフルドリーマー」は押井守渾身の作品となります。

 

7、ビューティフルドリーマー

 

アニメ映画の名作「うる星やつら ビューティフルドリーマー」はディックの「虚空の眼」をモチーフにしたものと思われます。

どちらも傑作なので問題ありません。

 

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この作品を非難した原作の高橋留美子さんは胸に手を当てて思い出してほしいものです。

おおもとの「勝手なやつら」のラストシーンを。

 

うる星やつらも名作、おそらく世界レベルで、なので裏事情なんかは関係ないですが。

 

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8、虚空の眼

 

ディックの初期の長編小説ですが、しばらく絶版の時期があり創元推理文庫から新装で出版されました。

最初は早川SFの「宇宙の眼」と言うタイトルでした。

ビューティフルドリーマーのヒットの直後の出版だったように思います。

 

ディックの長編としては読みやすく、のちの「ユービック」を彷彿とさせるメタモルストーリーが心地よい快作です。

 

9、死後37年でも、現在進行形のディックの名作群にまとめなど無い。

 

今世紀の日本のアニメでは、ビューティフルドリーマーを通してディックの影響を受けた作品が多数見受けられます。

例として、「涼宮ハルヒの憂鬱」「這い寄れニャル子さん」その他多数w

 

ディック入門書としてお勧めの一冊 トータルリコール=追憶売ります 


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ポーランドの文豪「スタニスワフ・レム」はアメリカには碌な作家がいないがディックだけは素晴らしいと評しました。

ただし、ディックはポーランドでの自分の作品の出版の版権の問題でレムを嫌ったようです。

報われない作家ディックを何度も助けたのは、まるで軍人のような容貌の頼れる紳士「ロバート・A・ハインライン」だったそうです。

 

ディックの同級生として、アメリカSF界最大の女流作家「アーシュラ・K・ルグイン」がいたと言うのはちょっと驚きです。

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フィリップ・K・ディックの永遠の名作に関しては今後も特集を組んでいきたいと思っています。

 

最後に一言

 

キングオブ・ペイパーバック・ライター よ 永遠に

 

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