たったひとつの冴えない惑星

懐かしのSF小説をネタにしたブログ

魔法の国ザンス イマジンブレイカーのビンクと謎の女性カメレオンの大冒険

アメリカのSF作家「ピアズ・アンソニー」が1978年から書き綴っている長大なシリーズものファンタジー小説

 

2017年に41巻が刊行されたそうですがその後は不明です。(たぶん一冊以上は刊行されている)

 

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最初からシリーズものとして企画されたようですが、3冊の予定がどうも一生書き続ける羽目に陥っているようです。

 

 

魔法の国ザンスの大人気に便乗して、SFシリーズ「クラスターサーガ三部作」も邦訳されました。

銀河系とアンドロメダ星雲の大戦争と言うことで期待して読みましたが、主に知略戦でまあ楽しく完読しました。

 

ザンスシリーズに関しては、21巻「アイダ王女の小さな月」(邦訳は2010年)が最新のようです。

 

第一巻「カメレオンの呪文」映画化が進行中のようですが詳細不明。

 

さすがに40年(邦訳は20年)も続く作品だと、作風も大きく変わり読者の世代交代も起こっているはずです。

それでも読まれ続けた飽きると言うことを知らない驚異の世界が「魔法の国ザンス」なのです。

 

目次

 

1、カメレオンの呪文

 

どこから読んでも面白いのですが、古びない名作の第一巻から読むことをお勧めします。

量が多すぎて品切れの巻も多いんですが、探しても手に入れたい楽しすぎるシリーズです。

 

中世風の村に住む少年「ビンク」は一定の年齢になっても魔法の力を使うことが出来ず、ザンスの掟で魔法の国からの追放を言い渡されます。

ザンスの隣には魔法力のない地帯「マンダニア」があるとされ、魔法力のないものは魔法の国にはいられないのです。

 

ザンスではすべての人間が魔法を駆使ししますが、その能力には大きな差があります。

非常に強い魔法力を持つ者を「魔法使い」または「魔女」と呼び、ザンスの王は数人しか居ない魔法使いから選ばれます。

ビンクの両親は準魔法使い級であったため期待されましたが、ビンクに魔法力は無いという判定が下ったのです。

 

ビンクはただ一人でザンスの外側にあると言う「マンダニア」に向かいます。

 

ザンスでは魔法的生物による攻撃も多く、ビンクは何度もピンチに合います。

その中で知り合った美しすぎる女性「ウィン」に惹かれますが、ちょっと頭が鈍いようです。

次に出会った普通の女性「ディー」はビンクと共に苦難を乗り越え、ビンクは恋に落ちます。

ディーと別れたビンクはマンダニアとの境界線で醜くて口の悪い女性「ファンション」と出会い、ザンスが危機に瀕していることを伝えられます。

その女性は非常に高い知性を持っていて、マンダニアとザンスの関係性をビンクに教えます。

 

マンダニアにはかつてザンスを危機に陥れた魔王トレントがザンスへの復讐の時を狙っていると言う。

トレントによって捕らえられたビンクとファンションは、再びザンスの地を踏むために苦闘するが、トレントもまた秘密の過去を持っていた。

 

魔法の国ザンスシリーズは3巻完結物として企画されたファンタジー小説ですので、「カメレオンの呪文」は3部作の第一巻となります。

この一巻は完全に独立した物語で、これだけで終わりでも問題が無い出来ですが、あまりの面白さに続編があるのなら女房を質に入れてでも読まなくては!というほどのものです。

 

ビンクの魔法の正体は?

もうお気づきでしょう。「イマジンブレイカー」です。

 

2、魔王の聖域

 

第一巻はハッピーエンドでしたが、その後はどうでしょうか。

こういった正統派ファンタジー物は巻数稼ぎのために、ピンチの引き延ばしが良く見られるのですが・・・

 

ご安心ください。

このシリーズは基本的にハッピーな物語だけです。

多少のピンチはあっても理不尽な悲劇などは描かれません。

 

第二巻ではついに大魔王ザンスが登場します。

 

物語全体のラスボスですが、ちょっと雰囲気が違います。

大魔王ザンスは人類をはるかに超越した宇宙的存在なのですが、だからこそ人間のことは特にどうとも思っていないのです。

さらに魔法の国ザンスもべつにどうでもいい存在です。

ビンク達ザンスの住人にはそれではまずいのです。

神は神らしくしていてもらわないと・・・

 

この第二巻ではザンスの王(魔法使いであること)の資格が問われます。

魔法使い級の力を持っていれば女性でも王の地位は務まると言うことが証明されます。

例えば、魔法使い級の知能を持ったファンションでも。

 

3、ルーグナ城の秘密

 

ビンクとその妻カメレオンの息子「ドオア」が主人公です。

まだ幼いがザンス王によって魔法使い級の魔力を持つと認められたドオアはザンス王の居城ルーグナ城のタペストリーの中(数十年前のザンス)での冒険を命じられます。

ドオアが時期ザンス王にふさわしいかどうかの試練です。

 

ドオアがタペストリーに送られたとき、近くにいたハエトリ蜘蛛が一緒に入り込みます。

この「ジャンパー」こそがドオアの協力者として、大人としての在り方を教える先生になるのです。

数十年前に起こったザンスの悲劇的混乱の中をドオアとジャンパーは旅します。

 

まあ、悲劇と言ってもあとの巻で笑顔で再登場するんですがw

 

三部作の最終巻にふさわしい、躍動感に満ちた感動のストーリーです。

最低でもここまでは読んで欲しいなと思います。

 


魔法の国ザンス ルーグナ城の秘密 3   / ピアズ・アンソニイ 著 - 早川書房

4、四巻以降は

 

もう、面白すぎてやめられまへん。

 

四巻「魔法の通廊」から二十一巻「アイダ王女と小さな月」までは翻訳されているのですが、巨大な3部作になる予定だそうで、27巻までが第一部、現在は41巻まで発表されています。

たぶん、未完でおしまいになるか誰かが引き継ぐのでしょう。

 

ベテランSF作家によるファンタジー小説と言うことで、長大な物語にも破たんは無く、無駄に悲しい流れで引っ張ることはせず、駄洒落に満ちた愉快な驚異の世界をどこまでも堪能させてくれます。

 

この作品を読んでいない人は、ちょっとだけ人選を損しているかもしれません。